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動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

いたずらランとおばあちゃんの友情物語

本日、2017年3月26日、私の母方の祖父が亡くなりました。96歳でした。突然死というわけではなく、順を追っての老衰というところでしょうか。入院してからも何度か会いに行っていたので、衝撃的というわけではありません。

 

やんちゃなオス猫「ラン」!

私が小学生の時、母がもらってきた猫がいました。名前をランといいます。ランはシャム系のミックスで、昔なので家と外を自由に行き来していました。ランがいない日もしばしば・・・。ランはケンカが強く、ボス猫になっていました。避妊去勢も一般手で毛はなかったため、気がつけば、ランにそっくりな猫がちらほら・・・。

 

私は、新築した少し離れたところに両親と姉、そして祖父母で引っ越すことになったのですが、ランは新しい家に非常に怖がってしまい、手に負えませんでした。そこで、祖父母はランと共に元の家に残ることにしました。おそらく祖父母も前の家が良かったのだと思いますが・・・。

 

ランはめっきり祖父母っこになりました。特にべったりというわけでもありませんが、飼い主として尊敬していたように思えます。

ランの病気

ケンカっぱやいランは、ある日元気がなくなりました。病院に連れていき、診断された病名は「猫エイズ」でした。これはワクチンで予防できる病気です。しかし、混合ワクチンも昔は一般的ではなく、その存在すら知らなかったのが現状です。

 

ランは毎日注射を打ちに病院に通いました。人にべたぼれではないため、背中の毛を逆立て、毎回フーフー!と威嚇。今のように洗濯ネットに入れるなどの知恵もなかったため、キャリーから飛び出しては部屋中を逃げ回り、毎日大変でした。

エイズ

エイズは助かりません。延命処置のみです。もう助かることはないと分かったころから、祖母はランに言っていたことがあります。

「死ぬときは、絶対に姿を隠さず、私たちの前で逝きなさい」

猫は死ぬ姿を人に見せないと言われています。今は室内飼いが主流なので、そんなことはないでしょうが、ランは自由に行き来できたため、十分にあり得る事でした。

 

ランの病状は日に日に悪化。口の中が口内炎だらけで、食事を摂ることが難しくなってしまいました。みるみる痩せ、衰弱していきました。そして、その時がやってきたのです。ある日の休日、祖母から電話がかかってきました。

「ランが死にそうだ」

というものでした。たまたま休日で家族全員がいたため、すぐに祖父母の家に駆けつけました。すると、ランは、皆が良く行き来する玄関マットの上に横たわっていました。そのため、発見が早かったのだそうです。私たちが駆けつけてすぐに、ランは

「にゃーん」

と一鳴きすると、天国へ旅立ちました。

 

ランは祖母のいうことをきちんと理解していたのです。そして、目立つところを最後の場所に選んだのでした。ランは病気ではありましたが、十分年数を生きてくれました。とても気が強く、私とはストーブの取り合いばかりしていましたが、ランはかけがえのない家族であり、ランもそれをきちんと理解していたのです。

 

私は動物の死にはなんども立ち会ってきましたが、ここまで人間との友情の詰まった最後は今でも特別に覚えています。今いる子たちもいつかは旅立ちます。とても悲しいことですが、ペットが先に亡くなるということは幸せなことでもあると思っています。残されてしまったペットは、鬱になってしまったり、亡くなったことがわからず、いつまでも飼い主を呼んだりと、とても辛い思いをするのです。

 

ペットを飼っている皆さんも、全力で愛情を注ぎ、友情をはぐくみ、そしてペットロスにならないよう、しっかりとできることをすべてやりつくしてください。決して私たち人間の勝手な思い込みや感情をペットに押し付けないよう、ペットの生き方、正しい飼い方をしていくことが飼い主の責任だと私は思っています。