動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

オウム病!?うちのインコも危険なの!?手放すべき!?その考え、ちょっと待って!!

鳥インフルエンザがやっと一息ついたころ、今度はオウム病と騒がれています。

「え!?オウム病ってインコからも発症するの!?うちの子からも移る!?」といった声や、

「うちは、妊婦さんや子供、お年寄りがいる。インコを飼っていたら危険なんじゃないか」

といった声も聞かれます。中には、飼育していたインコやオウムをペットショップに持って行ったり(受け入れは基本的に出来ません)、最悪、外に捨ててしまう方もいます。それは、自分や自分の家族に移ったら大変だという危機感からなのですが、ちょっと立ち止まって、まずはオウム病のことを調べてみませんか?
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オウム病ってどんな症状がでるの?

オウム病はオウム病クラミジアによる人獣共通感染症です。オウム病に感染すると、インフルエンザに似た症状(咳や発熱)が現れます。また、肺炎を起こす場合もあります。

どうやって感染する?

基本的にはオウム病にかかっている鳥の糞を吸引することで感染します。また、オウム病に感染している飼育鳥などから、口移しで食べ物を与えたり、噛まれたりすることでも感染します。

自分の飼い鳥がオウム病か心配

これは、多くの鳥を飼育している方が不安に思っていることなのではないでしょうか。なかには、危険だから手放してしまう方もいます。しかし、オウム病は病気ですから、鳥の体調にも変化があります。すべての鳥がオウム病いうわけでは決してないのですから、愛鳥家は、自分の飼い鳥の病気を良く理解する必要があります。

 

オウム病は鳥クラミジア症と呼ばれるもので、伝染鳥の乾燥した糞を吸入してしまい感染することが多いようです。嗜眠、食欲低下、膨羽、脱水などの一般症状、流涙や結膜炎などの眼の症状、くしゃみ、鼻汁や肺炎、気嚢炎など呼吸器症状、下痢、未消化便等の消化器症状も多くみられ、緑から黄緑色の尿酸の排泄を伴います。また貧血や脳炎による神経徴候を呈することもあります。

 

つまり、元気がない、食欲がないなどの体調不良が実はオウム病である可能性もあるということになります。特有の症状がないことが、一番怖いですね。

愛鳥家が心がけたい健康チェック

愛鳥家は、鳥に知識のない方も、鳥に対しての偏見や不安をいただかないために、正しい知識と飼い方を知る必要があります。

  • 食欲はあるか
  • 糞は正常か
  • 元気はあるか
  • 羽の状態は良いか

これだけは少なくとも毎日チェックしましょう。万が一オウム病に感染していても、診断には時間がかかります。オウム病に感染した場合には、抗生物質による治療を行います。

予防方法

渡り鳥や野鳥から感染することが多いため、ハトや野鳥の多い場所はなるべく避けるようにしましょう。オウム病は感染力は強くありませんが、小さなお子様や妊娠されている方、お年寄りのなど免疫力の弱い方は、特に注意が必要です。また、生態のいるペットショップに足を運んだ際にも、帰ったらうがいをする、履いていた靴を洗浄するなどしましょう自分のペットに移さないためにも必要な行為です。

オウム病かもしれないと思ったら

インフルエンザのような症状などが出た場合で、野鳥の多い場所に出かけた、生態のいるペットショップに行った、インコやオウムを飼育しているなどといった、オウム病の可能性のある方は、自己申告が非常に重要です。申告することにより早期検査、発見、治療につながります。

愛鳥家さんへ

このように、愛鳥がオウム病にかかっている場合には、なんらかの症状が現れます。元気な鳥を危険だからと言って飼育放棄することは、違法行為に当たります。また、オウムだけでなく、インコや家禽類にも該当することを知り、普段からの体調管理をしっかり行うことが、鳥に対して知識のない方にとっても安心につながり、それが間違った偏見を阻止することにつながります。

 

そして最後に、オウム病は猛威を振るっているわけではありません。今まであった病気が、メディアで報じられることにより注目を集めているのです。鳥インフルエンザのように流行っているわけではないので、そこまで神経質になる必要はありません。