動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

フィラリア予防ちゃんとしてますか!?フィラリアを知れば必ず予防したくなる!

蚊がそろそろ出始める季節ですね。蚊といえば、フィラリア予防。

「うちの子は外に出さないから大丈夫」

「ワクチン接種してるから必要ない」

「どうしても忘れちゃうのよね・・・」

「うちの子はかからないんじゃないか」

などなど・・・。フィラリア予防をうっかり忘れてしまったり、必要ないと思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし、フィラリアは怖いんです!!しっかり知識を得て、毎年予防しましょう!!

フィラリアってそもそもなに?

フィラリアは、寄生虫です。糸状の形をしていて、成虫では長さが30㎝にもなる大型の寄生虫です。蚊を媒体にして、犬の心臓に寄生します。犬などの動物に寄生したフィラリアの子供(ミクロフィラリア)は、蚊が血を吸った際に蚊に寄生し、その蚊がまた違う動物の血を吸ったときに、その動物の体内に寄生し、成長していくといったメカニズムです。

病院で血液検査をするのはなぜ?

ミクロフィラリアフィラリアの子供)がいないかを確認しています。ミクロフィラリアが体内に居る場合には、薬物によって駆除する必要があります。ミクロフィラリアがいない場合には、フィラリアの感染を防ぐ予防薬を経口投与します。

なぜフィラリアは怖いのか

それは、フィラリアの寄生する場所に問題があります。寄生する場所、それは心臓です!心臓に30㎝の糸状の虫が何匹もいるんです。心臓に寄生しているということは、色々な問題があります。まず、死んだフィラリアが心臓の弁に詰まってしまうこと。そして、駆除剤を飲ませれば、同じように死んだフィラリアが心臓の弁を塞ぎ、重篤な症状を引き起こしてしまう事。

 

そして、心臓に寄生しているということは、取り除くことが難しいということ。心臓の手術は人間でも難しいですよね。しかも、成虫のフィラリアがいるということは、ミクロフィラリアもいるということ。手術をしても、全てを取り除くことはできません。さきほども述べたように、下手に駆除剤を飲ませれば、逆に危険だということ。一度フィラリアにかかると、取り返しのつかないケースが多いのです。

フィラリアの症状

フィラリアに寄生されれば、当然栄養を吸収されているわけですから、元気がなくなります。そして、全身の血液循環が障害されるため、様々な症状が現れます。

  • 息切れ
  • 浮腫
  • 腹水
  • 失神
  • 血尿
  • 喀血

フィラリアでまた怖いのが、喀血などにより急死する可能性がある事です。

フィラリアは混合ワクチンに含まれている?

答えはNOです。フィラリアは、蚊が出始める一カ月前から蚊がいなくなった一か月後までの期間、薬を与えます。これは地域によって異なるため、初めての方は地域の動物病院に相談してください。

 

また、屋内でのみ生活させていても、蚊いれば感染する確率はあります。もちろん屋内でのみ生活させるのではなく、毎日どんな小型犬でも散歩は必要です。きちんと予防をしましょう。

予防薬はどんなもの?市販では買えない?

予防薬は色々なものがありますが、基本的にはフードに混ぜて食べれるような錠剤タイプや、おやつのような形をしているものがあります。どうしても食事と一緒に食べてくれない場合などには、強制的に飲み込ませる必要があります。

 

市販では売っていません。もし売っていたとしても、効果は期待できません。また、ミクロフィラリアの有無や、素人判断で駆除薬を飲ませるのは非常に危険なため、必ず動物病院で行ってください。

飲ませるのを忘れてしまった場合は?

基本的に一月くらいなら問題ありませんが、1年忘れたなどといった場合には、動物病院を受診しましょう。ミクロフィラリアであれば薬で駆除が可能です。成虫になってしまうと、駆除が困難になります。また、予防薬を飲ませていれば、寄生されることはありません。

 

フィラリアって怖いんです。でも、そのことを知らないがために予防を怠る飼い主さんも多くいます。フィラリアになって、弱っていくわんこを何回も見ました。血尿をして、毛並みもぼさぼさ、元気もない。とてもかわいそうです。きちんと予防をしていれば寄生されることはありません。フィラリア予防は義務ではありませんが、愛犬家は義務だと思っていいのではないかと、私は考えています。