動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

意外と知らない危険な食材:犬や猫に米は危険!?

私たちの主食、それは「米」ですよね。私たちに必要な栄養素は炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルで、これらを五代栄養素といいます。犬や猫も私たちに似ていて、必要な栄養素はほとんど同じです。

しかし、異なるのはその配合です。私たちは炭水化物を一番多く必要とします。なので、主食として米やパン、麺など炭水化物を食べるのですが、犬や猫が主食とするのはタンパク質です。それも、トウモロコシや大豆などの植物性タンパク質ではなく、肉から摂取する動物性タンパク質です。

ですから、犬や猫は肉を最も多く必要とします。猫はライオンと同じ真性肉食動物と言って、肉の栄養のみで生きていくことができます。犬は狼が祖先ですから、肉を主食とし、果物や野菜など多少の雑食性ということになります。

私たちに似ている生き物ですが、必要な栄養配分がことなることを、まずは理解しましょう。

米は犬や猫にとって良くない!

私たち日本人の主食は米です。そのため、身近にあり、ついつい与えてしまいがちです。昔は、犬には人が残した残飯、猫にはご飯に味噌汁をかけた猫まんまを与えていました。これは、犬や猫にとっては非常に良くありません。

米はほとんど消化できない

私たちは米の消化に適した消化器官のつくりになっています。私たちにとって米消化に良く、体調を崩した時にはおかゆや雑炊にすることで、非常に消化に良い食材になります。

しかし、それはあくまで私たち人間の話です。犬や猫は全く違います。もともと、穀物を食べる習性がない犬や猫は、米をほとんど消化することができません。つまり、私たちが雑草を食べるのと同じです。雑草を食べる習慣がない私たちが食べれば、消化不良でお腹を壊しますよね。それと同じように、犬や猫が米を食べることは、消化不良の原因になります。

米や穀物を使用しているドッグ(キャット)フードはどうなのか

米を始め、トウモロコシや小麦を使用しているフードもあります。ダイエットフードなどは、これらの穀物を主原料に使用しているものもあります。これらの特徴としては、低価格に仕上げることができる、植物性タンパク質で低カロリーに仕上げることができるという利点があります。

しかし、当然犬や猫にとっては良くありません。植物性タンパク質は確かに動物性タンパク質にくらべ低カロリーに仕上げることができます。しかし、最初にも述べた通り、犬や猫には動物性タンパク質が必要不可欠なのです。肉には犬や猫が生きるために必要な栄養素が含まれています。そして、肉に含まれる脂質は、犬や猫の皮膚や被毛の代謝や促進に欠かせません。

ダイエットフードとありますが、最近話題である糖質制限ダイエットの通り、米などの穀物には炭水化物(糖質)が多く含まれているため、逆に太りやすいとも言えます。逆に糖質制限ダイエットでは肉を食べろと言いますよね。肉では意外と太らないのです。ですから、穀物は犬や猫にとってはいらない材料です。

良質なフードは「グレインフリー」

この穀物が入っていないフードは、「グレインフリー」と呼ばれています。比較的品質の良いフードに良く見られ、低価格なフードほど穀物が使用されている傾向があるため注意してください。

最後に

私たち人間にとって欠かせない炭水化物ですから、犬や猫にも良いのだろうと思ってしまいがちです。それをうまく利用しているのが穀物を多く使用した低価格のフードです。しかし、それは間違いです。犬や猫にとって、米をはじめとする穀物は、消化不良やアレルギーの原因になってしまいます。

いくらねだってきても、米を与えてはいけません。身近にある食材ですが、犬や猫にとって、下痢や嘔吐は時に命取りになることがあるため、与えないようにしてください。