動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

あなたのわんこは家族で何番目の順位?

わんこを飼っている方で、全然いうことを聞かない。なんか、なめられている?!と感じている方はいませんか?

「甘やかしすぎなのかな・・・でも、可愛いからついつい」

なんて方もいますよね。もちろん、わんことしても可愛がってもらえるのは幸せなことなのですが、実は、ある程度のしつけは、わんこがストレスなく生活するうえで必要なことなのです。なんでもかんでも甘やかしすぎると、返ってストレスになってしまうのです。

わんこは群れの最下位が理想

犬と猫では社会性が違うため、異なります。今回はわんこについてお話します。わんこの祖先はオオカミです。オオカミは完全なる縦社会のなか、群れ生活をおくってきました。ナンバーワンがいて、ナンバーツーがいて・・・ということです。つまり、同じ位置にいることはありません。

犬もその社会性を受け継いでいます。なので、飼い主に従順であるとともに、しつけができるということになります。お迎えしたわんこは、家族の中で一番下の地位に付けなくてはなりません。

例を挙げると、犬目線で

リーダー:お父さん、2番目:お母さん、3番目:お兄ちゃん、4番目:お姉ちゃん、そして最後にわんこです。

犬の順位による違い

犬は順位が上の命令を忠実に聞き入れる反面、順位が下のものの言うことは一切聞きません。一番下に位置付ける理由はもう一つあります。順位が上なことは、自分が有利に立てますが、その分順位が自分より下のものを全力で守らなければならず、いつも気をはるためストレスがかかります。

最下位の犬は、エサにありつける順番も最後ですが、順位が上のものすべてから守ってもらえるという安心感があります。これが、人間と暮らすうえでも大切です。順位が人間よりも上になってしまうと、まずいうことを聞きません。そして、みんなを守らなくてはならないと、凶暴になる可能性があります。一番下に位置付けることで、自分はみんなから守ってもらえるんだ。と安心して生活することができるのです。

わんこを群れの最下位にするには

まず、わんこが順位を決めるためにする行動を知ることです。

マウンティング

マウンティングは、犬が立って人間の足などに抱き着くような姿勢をとる行為です。発情行為だと勘違いしてしまう方も多いのですが、実は順位付けのためにする行動の一つでもあります。わんこが抱き着いてきたら、すぐに膝などを使って押し離しましょう。許してしまうと、自分の勝ち!と思われてしまいます。

犬の群れには順位の高い者から優先して行う項目があります。分かりやすいのが、食事にありつける順番です。いくら順位の下のものがおいしい獲物を見つけても、食べられるのはリーダーからです。下っ端は、じっと眺めているしかありません。

ということは、わんこがエサを食べないからといって、「嫌いなのかな」「合わないのかな」と言って、すぐに変えてしまったりすると、この人は自分のいうことを聞いてくれる、つまり順位が下!ということにつながります。フードを食べないことは、確かに体調不良などをチェックするため欠かせない項目なのですが、我がままで好き嫌いをしている場合もあります(特に小型犬)。わんこに翻弄されないように気を付けましょう。

また、エサを与える際に「待て!」をすることも効果的です。すぐに食べさせてもらえない。いうことを聞かないとエサがもらえない。という状況を作ることで、この人が自分がエサにありつけるかを左右する人である=順位が上、という事につながります。

 

実はこのように、犬が順位を決める際にする行動はまだまだたくさんあります。ざっくり二つ例を挙げてみました。もっと良く知りたいという方は、書籍やドッグトレーナーさんに相談すると良いでしょう。わんこが心地よく生活するには、なんでもかんでも甘やかしすぎずに、最低限ののストレスとしつけは必要だということです。