動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

猛威を振るう害獣:イノシシ・素人判断は危険!!

最近、ニュースで畑などを荒らされる被害を受けている方が多いようです。実は、私の住んでいる場所にも出没しました。それがイノシシです。

私の住んでいる場所は、山の中というわけでもなく、ほんの少し歩けばコンビニもあるような車や人もいる場所なのですが、イノシシが出没するようになりました。どうやら、震災の影響で新しく学校を建てた際に、山を切り崩され居場所をなくなって移動してきたらしいとのことなのです。

イノシシを甘く見ている人が多い?!

みなさん、大体の方はあまりイノシシを見たことがないのではないでしょうか。そのため、いきなり人里に現れたイノシシを目の当たりにしても、石を投げて威嚇するような行動に出る方が目立ちます。実は、この行動、とても危険です。

私は、動物園で働いていた際、イノシシの飼育もおこなっていました。ですので、日本イノシシを始め、人里に出没するイノブタ’(豚とイノシシの雑種)も、ウリボウから繁殖まで多くを見てきました。

はっきり言って、皆さんが思っているより、イノシシは危険な動物だと思います

人間の威嚇は通用しない

先ほども述べたように、イノシシを見ると石を投げてみたり、エアガンを打ってみる、大きな音をだして驚かせてみるなどの方法を良く耳にしますが、どれも効果は0でしょう。

触ってみると分かるのですが、イノシシの体はとても固く石やエアガンなどでは当たった感覚さえないのではないでしょうか。また、臆病だと言われていますが、案外そうでもないので、大きな音を出したところであまり効果は内でしょう。電気柵も場所を覚えたり、壊してしまうそうです。

傘は効果があるの?

イノシシを見たら、黒い傘を広げると良いという話があります。あれについてなのですが、おそらく棒立ちしているイノシシにやっても効果はありません。きょとつ猛進というだけあって、驚いたりパニックになったり、もしくは攻撃の一環で突進はします。ただあれはまっすぐにしかできないんです。

実際傘を広げたら止まれるか、保証はありません。そのまま突進してくる可能性もあるでしょう。突進されたら横に避けるのが無難です。まず、イノシシに遭遇したときに黒い傘を所持していて、それを広げるという利点が効くかも怪しいところです。

イノシシに出くわしたらとるべき行動

イノシシにでくわしてしまったら、まず、攻撃をしてはいけません。彼らに突進されると命の危険もあります。車に乗っていても、無駄にクラクションを鳴らしてはいけません。イノシシの突進力はすさまじいので、車の中にいてもケガをしてしまいます。

イノシシに出くわすと、向こうも警戒態勢をとってきます。私たちはそのまま一回動きを止め、イノシシを刺激しないようにします。そして、ゆっくりと後退していき、道を譲るように退散します。この時、背中を向けて走ってしまうと、イノシシもびっくりして突進してくる可能性があるので、あくまでイノシシを視界にとらえながら、大きな声を出さず、静かにゆっくり後退してください。

特にウリボウを連れている母親や、繁殖期などのイノシシは非常に攻撃的です。車で出会った場合は、その場に停止し、イノシシが去るのを待ちましょう。

イノシシの意力

参考までにイノシシの意力ですが、園内で生後半年のイノシシが、鼻先で20㎏程の岩を破壊していました。このくらい彼らの鼻は力があります。加えて牙もあり、体毛は固く尖っていて、威嚇時には背中の毛が逆立ち、接触すると抜けて刺さるようになっています。

イノシシを見てきた私は、絶対にイノシシに対抗しようとは思いません。庭にイノシシがいたときがあったのですが、鼻を鳴らして威嚇してきました。いつでも突進するぞ、という攻撃態勢だったため、ゆっくりと後退して家の中に避難しました。実はその時夜でイノシシの姿が見えなかったのです。暗闇の中、鼻息と鳴き声で判断、対処するのは本当に怖かったです。

私の家族もやはりイノシシに攻撃的な態度だったので、イノシシは恐ろしいということを良く話しました。花壇などを荒らしてくるため、非常に腹立たしいのは分かります。農家さんが畑を荒らされれば、お金にもひびくので、非常に苛立たしいでしょう。しかし、素人が手を出すのは本当に危険ですのでやめてください。市町村などに連絡をして、対応してもらうようにしてください。