動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

知っていますか?増えている犬、猫の心の病:常同障害

最近では、ペットを飼う家庭が多くなっています。そして、ペットを家族と考え一緒に暮らすことで、増えているのが常同障害(じょうどうしょうがい)という病気です。

今日、テレビで猫を飼っている家庭で、同じソファを新品のものに替えたら猫はどのような反応をするかという検証をしていました。その結果、猫はソファが変わったことで強いストレスを感じ、常同行動をしていました。

犬・猫がストレスを感じたときにする常同行動(じょうどうこうどう)とは?

犬や猫はストレスを感じると、常同行動をします。これらの行動をすることは、犬や猫がストレスを感じているというサインですので、事前に知っておき、そのような行動が見られたときは、なにかがストレスになっているということに気づいてあげることが大切です。

犬の場合

  • 自分の尾を追う(尾追い)
  • 落ち着きがなく歩き回る
  • 自分の足をいつまでも舐める
  • 床を穴を掘るようなしぐさを頻繁にする
  • 光を追う

猫の場合

  • 過剰なグルーミング
  • 自分の尾を追う(尾追い)
  • 舌で口元を舐める

このような行為が、ストレスを感じたときにする行動です。覚えておきましょう。

放って置くと常同障害という病気になる

ストレスを感じたときにこのようなサインを見逃さにことが大切です。犬や猫はデリケートな生き物ですので、私たちにとってちょっとしたことが、大きなストレスになっている場合があるのです。

  • 環境の変化(引っ越しや飼育用品、お気に入りの家具の変更など)
  • コミュニケーション不足
  • 騒音(工事や一日中テレビや音楽などが流れている)
  • 散歩をしない(犬)
  • 退屈な時間が多い
  • 太陽を浴びる習慣がない

このようなことがストレスになっている場合があります。

常同障害になると、異常行動を繰り返し、出血するまで足を舐めまわしたり、食欲低下、よだれを垂らす、グルーミングをしない、攻撃的になる、ヒステリックに鳴き続けるといった問題行動をするようになります。

常同障害を予防するには

常同障害になった場合には、動物病院による薬物療法が用いられることがあります。しかし、あくまでも薬は症状を和らげるものであり、根本的な治療にはつながりません。根本的な治療には、何がその子にとってストレスになっているか原因を突き止め、その原因を解消しないことには始まりません。

そして、予防のためには常同行動のサインを見逃さず、早期に対処することが必要です。

 

私たち人間もストレス社会であり、ストレスによる疾患を患う方は増えているでしょう。癒しを求めてペットを飼い方もいるかと思います。その癒しであるペットにも、心があり、心がある以上、ストレスも存在することを忘れてはいけません。

  • 仕事が忙しくなったから、遊んであげる時間が減った。
  • 環境が変わったので、いつも家を自由にし行動させていたがケージに入れることになった。
  • 飼育用品(トイレやフード、食器、寝床など)を新しいものに替えた
  • 家具の配置やソファなどを新しいものに替えた

このようなことが彼らには大きなストレスになるため、ペットを飼う方は模様替え、家具の配置や新調、環境の変化にも気を配る必要があります。彼らを家族と思うのならば、彼らの心境を第一に考えるという責任感を持つことが大切でしょう