動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

飼い方は分からないけど、可愛いからとりあえず買ってみた:グリーンイグアナの悲劇 その1

みなさん、グリーンイグアナをご存知でしょうか。簡単に説明すると、緑色のトカゲです。最近は、ペットショップに行くと、トカゲ類、ヘビ、カエル、クモなど、哺乳類や鳥類のほかにも、爬虫類や両生類など、珍しい生き物も展示・販売されています。

 

なかには、猛毒を持ったものや、人間に危害を加える危険な生き物も販売されています。カミツキガメなどが知られていますが、飼いきれなかったり、逃げてしまったりした場合、多くの人も巻き込んだ大騒動になってしまいます。

また、外来種は基本的に日本に生息する生き物より生命力が強いため、繁殖しやすいことも特徴です。魚でいえば、ブラックバスブルーギル。最近なにかと猛威を振るっているヒアリ外来種ですよね。

逃げ出したセキセイインコなども、野生化して繁殖していると耳にします。外来種は、とにかく生命力に長けているんですね。

 

さて、今回お話しするのは私が動物病院時代に経験したお話です。話の主役は、グリーンイグアナ。名前を忘れてしまったので、緑ということにします。

グリーンイグアナについて簡単にご説明します。グリーンイグアナはコロンビアやメキシコに生息するイグアナです。大人になると、体長は2m近くまで大きくなるそうです。

基本的に販売価格は3,000円から5,000円程で、爬虫類としてはお手ごろだと言えます。さらに、主食は野菜です。イグアナにしてはめずらしく、草食動物です。そのため、コウロギなどの生餌や昆虫を与えることに抵抗がある方でも飼いやすいといえます。

性格はおとなしく、賢いと言われています。

 

そんなグリーンイグアナの緑が動物病院にやってきた理由は、「なんだか元気がない」ということでした。

動物病院のスタッフであっても、爬虫類を触れない方も多くいます。幸い、私はぬめぬめした生き物と昆虫以外は平気なので、補助として私が入ることになりました。

緑は、水槽に入れられてやってきました。連れてきたのは、お父さん、お母さん、そして小学生くらいの男の子でした。

私自身は、グリーンイグアナについて知識があまりなかったため、どんな生態なのか、いまいち理解していませんでした。それでも、水槽に入った緑を見た瞬間、

「なんかおかしい」

と思いました。確実に、おかしかったんです。

そして、獣医に目をやると、その眼は怒りに満ちていました。

 

「なんだか、最近元気がないんです」

そういう飼い主さんに、獣医は言いました。

「普段はどのような環境で飼育されているのですか?」

「え?どういうって、この水槽で飼っていますけど・・・」

「ヒーターなどはなにを使っていますか?」

「ヒーター?別に、何もしていません、通常の温度で飼育しています」

「・・・あなたのしていることは、虐待と変わりませんよ」

医者と飼い主さんの会話は、いったんここで途切れました。

 

つづく・・・