動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

室内自由飼いは本当に「自由」?:あなたのわんこ、にゃんこは本当に幸せ?

GWも本格的に始まりました。おうちでゆっくり~という方は良いのですが、連休を利用して出かける方も多いのではないでしょうか。ちなみに、私にGW休みはありません。家族も全員ありません。そういえば、私は大型連休や年末年始が休みの仕事をしたことがありません。動物業界は、そういった「連休」とは無縁の職種でもありますね。

室内飼いが当たり前になりつつある犬猫事情

昔は、犬は外につなぎ猫は家と外を自由に行き来する飼い方が当たり前でした。しかし、最近は犬も猫も室内で飼育する方が増えていますね。昔は番犬として飼っていたこともあり、庭にわんこをよく見かけたものですが、今は家の窓からのぞく姿を良く見ます。

 

猫の場合はあまりないのですが、犬は吠えたり訪問時に飛びかかってきそうで怖いので、平和になったなぁと思います。しかし、その反面で、屋内ならではの事故が増えているのも現状です。

家の中の「自由」は危険

家の中で飼育している方は、多くが「家の中を自由にいられる」環境を作っているのではないでしょうか。理由としては、「ペットではなく家族だから」だとか、「狭い空間は可哀想」といった意見が多いようです。しかし、それは本当に犬猫の気持ちを考えているのでしょうか。

 

私たち見守っていられる時間は、自由にしていても良いのですが、1日中となるとどうなのかな、と私は思います。1日中愛猫や愛犬を見ていられませんよね。しかも、仕事で留守にする家庭はどうでしょうか。「可哀想」が「事故」につながることって本当に多いんです。

家の中で起こる事故

  • 落下
  • 誤飲
  • 食中毒
  • 首輪による事故
  • ケガ

などがあります。落下は猫なんかに多いのですが、窓を開けて置いたときに落ちてしまったり、高いところにのぼったはいいが下りれず落下してしまうことも。打ち所が悪いと、亡くなってしまうこともあります。

 

誤飲はおもちゃに多いです。遊びっぱなしにしてしまったおもちゃがない。もしかしたら・・・。といった具合です。また、猫じゃらしなど釣り系のおもちゃは比較的飲み込んでしまう事故が多いようです。喉や胃を傷つけてしまう危険がありますし、開腹手術をしなくてはいけなくなってしまいます。また、中には毒性のものもあります。

 

毒性と言えば、案外多いのが「人間の薬を誤飲」することです。いつも薬飲んでいる方が、ぽろっと落としてしまった。どこにいったか見つからない。それをぺろっと食べてしまった。人間の薬は体重で量が決まります。なので、犬猫が飲み込んでしまった場合、致命的な薬物になってしまいます。薬は、絶対に引き出しの中などにしまっておき、いたずらできないようにしてください。「胃洗浄」などの処置は、犬猫にとっては大きな負担になりますし、できる病院も少ないと思います。

 

人間の食べるものをねだってくる場合も、ついつい与えてしまうものの中には毒になるものが多いのです。人間が食べるも物は、すべて毒だと思っていただいても良いかと思います。味やにおいが強いため、犬や猫は催促してきますが、お醤油をそのまま飲んだり、砂糖をばくばく食べるようなものなんです。また、猫に刺身を与えたり、犬にお米を与えるものもちろんNG。人間の食べ物は与えないようにしてください。

 

首輪、これも危険な場合があります。首輪で首をつってしまう事故もあります。首輪は、迷子になったときに「飼い猫・犬」だと分かりやすいですし、迷子札があればどこの子だかわかりやすので便利です。しかし、危険な面もありますので、目の届かない場所に行き来する子には向きません。

ケージに入れるのは本当にかわいそうなのか

そこで、普段から活用したいのが「ケージ」です。可哀想だと思う方もいるかもしれませんが、犬も猫も穴倉で生活してきた動物ですので、実は暗くて狭い場所というのは落ち着くものなのです。そして、そこは自分の縄張りに出来る場所ですので、安心もできます。狭くて可哀想だという方は、キャットタワー付きのケージや、広めのケージを活用しましょう。

 

ケージが二つに分かれていて、トイレと寝床をわけられるものもありますし、ケージの外にサークルを置いて、トイレと寝床を分けるなど、工夫をすればスペースはいくらでも作れます。

 

ちょっと思ってほしいのが、私たちが留守にしている間、犬や猫はどう過ごしていますか?元気に遊んでいるでしょうか。ほとんどが、どこかでじっとくつろいでいるのではないでしょうか。そう、人間がいると一緒に遊んだりと活発に動き回りますが、案外一人では多くのスペースは必要としないものなのです。だから、ケージの中で生活することは、リラックスできるんですよ。

 

できれば子供の時から使用して、ケージ生活にならせれ置くのがベストです。しかし、ケージの中に長時間入れっぱなしでは、ストレスになってしまいます。ストレスがひどくなると、犬や猫も心を病んで、自傷行為うつ病のような病気にかかってしまいます。帰宅したら、思い切り遊んであげたり、休日は触れ合う時間をながくとるようにしてください。

 

私の愛犬は、庭が比較的広かったため、庭に大きな檻?つくり、その中に寝床(犬小屋)を作って飼育していました。留守が多いので、日中家の中ではたいくつかなぁと思って作りました。大型犬なので、家の中のケージの配置もちょっと困ってしまったというのもあります。愛犬は、日中は日向ぼっこをしたり、夜は小屋で寝るなど、ゆったりと毎日を楽しんでいたように思います。もちろん、朝夕の散歩は欠かさず行いました。

 

うちの場合はゴールデンレトリバーでしたけど、そのおかげか、13歳まで大病もせず生きました。大型犬で13歳となると、人間だと90歳は超えてます。介護が必要になったのも、最後の1週間だけでした。

 

「自由」「可哀想」という人間目線の飼い方は、犬や猫にとって本当に「自由」で「可哀想」なのか、私たち知恵のある生き物は、改めて考える必要があると思います。