動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

ハムスターを飼う前に読んでください

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ハムスター。小さくてとってもかわいいですよね。私も飼育経験があります。この子を始め、7匹飼育した。6匹はジャンガリアンで、1匹はゴールデンです。ハムスターは何といっても生態代が安いことが特徴です。

 

簡単に買えるから

簡単に買えるから、衝動買いしてしまったりペットが欲しいという子供に買い与えたりする方が多いように思います。ただ、飼う前に知っておいてほしいことがあります。それは、ハムスターの飼育は費用や手間が非常にかかるということです。

 

それはもう、生態代は詐欺か!と言いたくなるくらい。ハムスターはネズミ科ですので、繁殖が容易なんです。そのため生態代自体は安いのですが、非常にデリケートな生き物なんですよ。

 

その1:清潔が大事

ハムスターは非常にきれい好きです。なので、掃除が大変です。トイレはある程度覚えてくれますが、完ぺきではありません。そのため、トイレの砂はもちろんケージの汚れた敷材を毎日取り換えます。ハムスターのおしっこのにおいはネズミ独特の強い匂いです。放って置くと非常に臭いです。そして、うんちはぽろぽろの糞でそれ自体は匂いませんが、日数が経過したりおしっこと混ざるとににおいます。

毎週最低でも1回はケージ全体を掃除するほか、毎日おしっこをした回し車などをそうじしなくてはいけません。

 

その2:可愛い飼育用品はウソ!

ハムスターの飼育用品はとてもかわいいものが売っています。ケージもドールハウスのようなものなど。しかし、実際あのようなケージでの飼育は不可能に近いでしょう。なぜならば第一に小さすぎます。ジャンガリアンの子供であればいいのですが、すぐに大きくなります。大きくあればあのような狭いケージはストレスになります。目安は、ジャンリアンはゴールデン用、ゴールデンはリス用といったワンサイズ大きいものが必要になります。回し車なども同様です。

 

それと、トンネルなどがついたものはおすすめしません。掃除がしにくいからです。トンネルの中でもおしっこやうんちをしますので、不衛生。それに大人になるとはまてしまう事故もあります。ケージはシンプルなものが一番です。

 

その3:お金がかかる

生態自体は安いハムスターですが、土の中の穴倉で生活したため、暑さにも寒さにも非常に弱い生き物です。冬場はパネルヒーターなど、夏場はエアコンを24時間稼働させなくてはいけません。そうしないと、一晩で死んでしまいます。また、ストレスにも非常に弱く、人間が無理にいじくりまわすと、それだけで死んでしまいます。ハムスターは捕食される動物ですので、苦しむということを回避するため、すぐに死んでしまうんです。また、体が弱いため腫瘍になりやすかったり、どんくさいので落下したりなどの事故や病気も多いため、動物病院に連れていくことも多いでしょう。費用はかかります。

 

その4:かじる

やはり多少は外に出してストレスを発散させる必要があります。ハムスターはかじるのが大好き。その辺におしっこもするし、電気コードなどなんでもかじります。とても危険だし、私は以前大事なネットの配線をかじられてしまったことがあります。ネットにつながらずとても困ったし、原因がハムスターだとわかったときはヒヤッとしました。今はさらに配線が増えたため、ハムスターを飼うことは自粛しています。

 

その5:繁殖

粗悪なペットショップでは、つがいで売っているケースもあります。ハムスターはすぐに子供を作ります。しかも、1回に10匹も産んだという報告もあります。ハムスターは縄張り意識が強く、複数で生活することは不可能。小さいころ仲良くしていても、ある日突然ケンカを始め、命を落とすこともあります。母親が子供を食べてしまうことも・・・。ですから、つがいで飼った場合はオスとメスのケージが必要で、子供を産んだ場合はその子供の数分のケージが必要になります。ケージの分だけ手間暇も倍増します。絶対につがいで飼ってはいけません。ブリーダーでもない限り。

 

ハムスターを飼いますか?

この文章を読んでも、ハムスターを飼う!という方はお迎えしてあげてください。ほかのペットとの共存は基本的には難しいでしょう。ケージは厳重にし、離すときは犬や猫などほかのペットと別の部屋で行いましょう。また、完全な夜行性ですので夜中は回し車をがらがらするため、夜中静かにしたい方は飼育を控えてください。静かな回し車でも音がしないわけはないですから。

 

ハムスターの寿命は3年から5年と短めです。個体によっては、まったく懐かなく人に噛みついてばかりの子もいるでしょう。そんな子であっても、最後まで面倒をみる義務があります。ペットショップでは、なるべく売りたいので悪いことをいう店員さんはほとんどいません。現実は違うことが多いと思います。

 

ハムスターを飼うことは悪いことではありません。しかし、小さなお子様や衝動買いで飼える生き物ではないということを、肝に銘じてください。小さな命です。デリケートな生き物です。しかし、とってもかわいくてメロメロになる魅力が彼らにはあります。