動物看護士おもちせんせいの ペットと健康でハッピーなくらし

動物看護士おもちせんせいです。動物病院をはじめ、様々な動物業界で仕事をしていました。その経験を活かし、職場でのエピソードやペットや動物との正しい暮らし方を紹介していきます。

身近な場所で実際に起きたら:飼育放棄された犬

このお話は、私がまだ高校生の時のことです。私の家にはゴールデンレトリバーがいて、散歩は主に父親が担当していたのですが、父が仕事などで忙しい日は、代わりにほかの家族が散歩に行っていました。

もちろん私が散歩をすることもあり、ゴー君(ゴールデンの名前)とは何度も出かけました。私が行く散歩コースには、一軒家タイプの賃貸アパートが数件ありました。そこは、出入りが頻繁なため、どんな人が住んでいるのか、よくわからない状況です。

たまたま散歩に行ったある日、空き家だったアパートの一軒に人の気配がありました。そして、庭には柴系のミックスがつながれていました。三輪車なども置いてあったため、家族が引っ越してきたんだな。そう思いました。

そして、また散歩に行く機会がありました。その際、ふと思ったのが、

このわんこ、前より痩せているような・・・。

そんなことを思ったのです。そのわんこは、ゴー君と産の散歩を非常に恨めしそうに見ていました。

そして、また散歩に行ったとき、私は確信しました。

確かに痩せている。

家は留守に用だったため、そっと庭にお邪魔して、犬の様子を拝見させていただきました。

エサ入れと水入れには、雨水が入っており、苔が生えていました。

糞もたくさんそこらじゅうに散らかっていました。

被毛は抜けきれない古いもの付着しており、不衛生でした。

体つきは、肋骨が見えるくらい、痩せていました。

この時私が思ったのは、エサや水を相当与えていないこと、散歩はしていないこと。つなぎっぱなしで放置しているということでした。

 

すぐさまどうにかしてあげたいと思いました。それは、そのわんこが、すごく人懐っこく、吠えたり飛びついたりもせず、手を差し出すとぺろぺろと舐めてくれる、本当に優しい子だったということもありました。

しかし、他人の家のわんこです。勝手な行為をして何かあったときには、責任を取ることができません。

私は、そのわんこに謝りながら、とにかく水入れの食器を近くの水道で洗い、新鮮なものを入れました。(一杯めはすぐに飲み干してしまいました)。そして、ゴー君の携帯用に持参していた犬用おやつを一つ与え、その場を後にしました。

 

私は、この事実をしってどうするべきか非常に悩みました。どうにかしたい、あのわんこを助けなければいけない。でも、他人の家。トラブルなどを起こし家族に迷惑をかけたら大変・・・。色々な思いが交差し、家族にも相談することはできませんでした。

それから、機会を見ては、そのわんこに水と犬用おやつを1個与えるということを行いました。これ自体、すでに良いことだと言いきれないことが事実であるため、私の気持ちは、わんこの命を助けたいという気持ちと、勝手な行動に対する罪悪感で一杯でした。

 

続く・・・。